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学部生
Sohei Kinoshita
建築、という概念に新たな視点をくれた研究室。
父が建築の仕事をしている関係で、小さいころからいろいろな現場に連れて行ってもらっていたんです。幼心に自分が考え、設計した建築物が社会に大きな影響を与えるという点に魅力を感じて建築学科を志しました。
学部に入る前に出張授業がありましてそこで前先生の講義を聴いたのが最初の出会いです。オムニバス形式で他の先生たちの話しも伺ったのですが「建築」という括りで自分がイメージする建築の話しが聴けたのに対し、前先生の話しはエネルギーとか室内環境の改善で人がより快適に暮らせるようになり、それをどう建築に活かすかといった自分が持っている建築のイメージの外にあったことばかり。やはり建築といえば意匠や造形だと思っていましたから。建築の「脱炭素化」という外からでは見えない部分も建築の一部なんだと気づきもあって、もっとこの分野を掘り下げてみたいと強く思ったのです。
「学校の断熱改修による快適性を省エネ性の向上」が研究テーマです。卒論のテーマでもあります。学部卒後も前研究室に進学することが決まっているのでそのまま研究を続けます。自分の中高時代を思い返してみても教室の温熱環境はあまり快適でなかったように思うんです。
研究室では実際に教室のモデルを作って、シミュレーションを用いて複数の断熱改修を比較検討しています。教室でも廊下側、空調が当たる箇所など座っている席によって快適さにばらつきが出てしまう。修士に進んでからもここは研究の軸にしたいと考えています。前研究室の特徴でもあるんですけど、都内近郊の小中学校、岡山県の学校へ出向き実測しました。たくさんのシミュレーションを重ねた上でリアルの現場の組み合わせが課題解決につながると思うんです。実験室やPC上だけではまさに机上の空論。研究は社会の役に立ってこそ、だと私は思います。
前研究室の基礎である
「1.実験 2.実測 3.シミュレーション」
この積み重ねでしか得られない気づきがあってそれは声を大にして魅力としてお伝えしたいです。特に実測では現場の中学生たち、先生方の声も聴けて、とても貴重な体験でした。企業の方々との協業もできこの研究室が広く社会とつながっていることを実感しています。
社会にでたら環境設計や設備設計の視点から建築に関わって、社会に良い影響を与えられる存在になれたらうれしいです。
前研究室なら建築分野のみならず、地球環境、社会課題の視野が広がり、且つ深掘りできると思っています。
Profile
木下 蒼平 / Sohei Kinoshita
学部生