参考書(前研進学者向け)

前研に進学する人を想定した参考書のおススメの読み方です。健康・快適な温熱環境を少ない系統からの買電で実現するためには、様々な要素を評価する必要があります。

 

最新建築環境工学 改訂4版

院試勉強で購入している人が多いと思います。とっつきにくいですが、重要なことが網羅されているので院生の勉強にも使える一生ものです。特に、1-2建築と自然環境 1-3建築環境工学の基礎知識 2-1快適な環境とか 2-2温(冷)熱環境の快適指標 3日照・日射 5通風と換気 6建築伝熱(6-5非定常伝熱の計算法はザっとでOK 他は完全に) 7-1湿気・結露 は完全に理解するようにしましょう。いきなり理解が難しければ建築環境工学 初学者の建築講座などを先に読みましょう。その上で、住宅の断熱や建築物省エネ法の詳細・や空気線図、ファンダクトなどの設備まわりの記述は不足しているので、他の本で補うようにしましょう。

住宅省エネルギー技術講習会テキスト

建築物省エネ法の詳細、特に1次エネ・UA値・ηAC値・部位ごとのUA値の算出はよく確認してください。ただし、建築物省エネ法は図面情報からの手計算で算出が可能なように簡略化されているため、研究とは乖離している部分が多いので、その点は注意してください。

建物できるまで図鑑 木造住宅

前研の主な研究対象は木造の戸建住宅ですが、実際にどんな収まりになっているかはサッパリ、な人も多いはずです。最近はこうした丁寧なビジュアル本が出ているので、まずはイメージをつかみましょう。

空気調和ハンドブック

空調設備の詳細を補うために。前研ではOMXなどの全館空調を扱うことが多いので、ヒートポンプや1総説 2熱負荷計算(特に2.3窓ガラスからの熱負荷 2.4外壁および屋根からの熱負荷) 3空気調和計算法 4空気調和計画 8.1ダクトの抵抗 8.2ダクトの設計法 9吹出口と室内空気分布 は完全に理解してください。

パソコンによる空気調和計算法

研究室の技術詳細をサポートしていただいている佐藤誠さんの先生であり、ホームズ君パッシブ設計の計算エンジンであるEESLISMの生みの親である、工学院大学名誉教授の宇田川 光弘先生のご著書です。1986年と相当古いのですが、具体的な計算詳細とソースコード例が書いてある本は、なかなかこれを超える本がないようです。3湿り空気の状態値・4日射量・5気象データ・6窓の熱取得・7外壁・床の熱伝導 はマスターしておきましょう。EESLISMを検討する人には必須です。ただし、扱っているのは熱負荷までで、最後のヒートポンプ効率・消費電力量は扱っていません。

平成28年省エネルギー基準に準拠したエネルギー消費性能の評価に関する技術情報(住宅)現行版

建築物省エネ法における1次エネルギー消費量算定に関する技術情報です。熱負荷→ヒートポンプ効率→消費電力量の部分について、ダクト式セントラル空調機ルームエアコンディショナーについて記述があります。熱源の負荷率から消費電力を推定するもので、比較的簡易なモデルです。ホームズ君に実装されているのも、このモデルです。メーカーカタログの最小能力まで考慮した電力中央研究所のエアコンモデルへの変更も検討されています。

エコハウスのウソ2

自分の本を上げるのは気が引けますが、住宅の省エネに関する様々な項目を幅広に取り上げています。エコハウスに関する本は大概目を通していますが、特定のやり方を主張するものがたいていです。タイトルはともかくとして、学生に読んでもらうことも念頭に書いたので、それなりに項目は網羅しているはずです。研究室のメインの研究テーマである「自然エネルギーだけで健康・快適な暮らし」を実現する方法を考えるための知識をまとめています。