劉行さん(2019年09月修士課程修了)が作成してくれた、戸建住宅のCFD解析講座です。
CFD解析ソフトFlow Designer(FD)への入力、および冷房吹出口の設計法について、まとめています。
扱っている住宅プランは、自立循環パッシブ住宅プランです。
【冷房吹出口設計仮案】 <PPT>
冷房時日射の影響によるLDKの窓の輻射温度が上がることを改善するため、標準プランで1F天井の段差を利用して、壁付グリルタイプ吹出口から窓面に吹き出す仮案を検討しました。
各室負荷のばらつきを考慮して風量バランスを決める
施工、維持管理上の注意点を考慮して適切なダクト経路を合わせて吹出口の設計仮案を提出する
冷房吹出口設計仮案③ 吹出口レイアウトの検討 <動画> <PDF>
【Flow Designer (FD) での設定】 <PPT>
吹出口設計仮案を検討する際に、アドバンスドナレッジ研究所(AKL) のFlowDesigner2020で解析を行いました。このソフトウェアは建築設計者向けに作っており、操作が簡単です。また、直交系構造格子を用いたため、メッシュの切り方に注意すべきです。モデル作成から結果表示に至るまで、どう設定するかを説明いたします。
FDの設定② 物性値の設定と解析の設定 <動画> <PDF>
【講師紹介】
劉行(リュウ ハン)
東京大学大学院工学系研究科建築専攻 修士課程修了
出身地:中国遼寧省
研究テーマ:OMXシステム、冷房吹出口設計、CFDシミュレーション
2016年9月 湖南建築大学 建築学部 卒業
2019年9月 東京大学大学院工学系研究科建築学専攻 修士課程修了
OMXを搭載した実物件を中心とした温熱環境等に関する実測、実際一番使っている吹出口を中心に吹出口噴流性状に関する実験とそれらを再現したシミュレーションを行ってきました。実測実験値とシミュレーションのデータ分析やと比較し、最適な住宅の冷房吹出口設計を提案することを行いました。
建築環境工学の研究目的は現象・論理を研究するに留まらず、居住者の立場から考えて、より快適な環境を実現するために、どういう点に気を配ることが必要なのかも大事です。