前研での学習・研究

前真之研究室は、エコハウスの研究・開発をテーマとした研究室です。その研究の経緯と、学習・研究について簡単に説明します。

エコハウス研究の始まり

前研は2030年・2040年を視野に、住宅の省エネ・創エネによる年間を通したゼロエネルギーを達成しつつ、快適で健康な住宅、つまり「エコハウス」の研究と開発を目的としています。前研が本格的にエコハウスに取り組むようになったのは、2009年の環境省エコハウス事業です。全国各地20箇所に建てられたエコハウスを調査する中で、地域の気候に根差しつつ建物の性能確保と自然エネルギー活用に関心を持つようになりました。

環境省 エコハウス事業

室の高い住宅を確保することは、健康で快適な生活のために不可欠です。住宅の質を高めつつ省エネ・省CO2を進めることは、とても大事なテーマだと考えています。その大きな目標のために、具体的なテーマに取り組んでいます。

日本はいつまで”寒い家”を押し付けるのか(President Online)

研究テーマ

研究室歴代のOB/OGが時間をかけて積み重ね、発展させてきてくれたテーマを研究しています。

  1. 戸建リフォームの実態把握および普及に向けた研究
  2. ダイレクトゲイン(開口部からの日射取得&蓄熱)による無暖房住宅の開発
  3. 太陽熱活用ヒートポンプ一体型 暖冷房・換気・給湯システム(OMX)の開発
  4. BIMを活用した環境建築の設計手法の開発

研究の詳細や発表論文は、「研究テーマ」のところで確認ください。どれも、2030年・2040年に向けて必ず重要になるテーマと考えています。研究室の学生さんは、どれかのテーマを選択して学んでもらうことになりますから、興味のあるテーマが見つかるかどうかが大事になります。

前研では、学外の大学や研究機関・協会・企業などと積極的に協業し、その成果を社会に還元することを重視しています。学内外の人たちと協力しながら、社会に実際に役立つ研究をしっかりと進めていきます。

建築環境工学の知識を実践を元に、建築の研究や設計に取り組んでいます。あくまで建築環境工学・建築物理をベースにした研究を行っているので、建築環境工学・建築物理の知識を真剣に学ぶことが不可欠です。「参考書」のページも参考にしてください。

参考書

研究室の学生さんには、それぞれのメインテーマをもってもらい、研究についてじっくり取り組んでもらうことが大事だと思います。学生の時に深く考え試行錯誤することは、人生にとって得難い財産だと考えているからです。

建築環境工学の理解と設計ツールの習熟

研究に取り組み、将来は建築設計の現場で活躍できるよう、環境建築設計の実践的な知識を身につけてもらうことも大事にしています。建築環境工学・建築物理に関する基礎的な知識習得は必須です。合わせて、環境設計に必要な気候分析・環境シミュレーション技術が必要です。特に、「熱回路網計算」と「数値流体計算」は、省エネ・ゼロエネで快適な室内環境を設計するのに不可欠な武器です。

設計ツールの開発にも積極的に関わっています。より使いやすく、より意味のある設計が進められるようにツールを改善し、一般の設計者にも活用してもらえるようにすることが肝心です。

知識をしっかり身につけてもらうために研究室内で勉強会を開いている他、産学連携による建築環境設計支援協会(SABED)、学部生や修士を対象とした環境設計のスタジオ課題など、環境建築設計の実践を学べる機会が多くあります。

建築環境設計支援協会 (SABED)へのリンク

スタジオ課題 Facebookスタジオへのリンク

卒業したOBは、建築設計や建築設備の様々な分野で活躍しています。卒業していく学生の人が生涯にわたり世界で活躍できる知識と技術を身に着けてもらうことが、研究室の大きな目的です。